21世紀に入ってから、メディアをイスラーム過激派に関連するニュースがにぎわしています。それと同時に、「イスラームそのものと過激派を混同してはいけない」という声も多く聞かれます。その通りなのですが、では、過激派とは異なるイスラームの本流あるいは穏健な主流派とは誰なのでしょうか。彼らはどのような考え方を持っていて、どのような活動をしているのでしょうか。実のところ、過激派ではない「大多数」の実態は十分に明らかにされていません。世界人口の4分の1がイスラームであることを考えると、主流派に焦点を当てた研究や実態調査が喫緊の課題となっています。
本班では、穏健主流派の特徴を「中道派」と措定して、彼らを知的資源の現代化の観点から分析し、その思想や運動の実態を多元的に明らかにすることをめざしています。
活動の一環として、研究・分析のほかに、イスラーム・中東の専門家のみならず、他分野・他地域の専門家にも役立つような、新しい形の情報提供システムの構築をおこなっていきます。これまでも「知のインフラ」整備を推進してきましたが、中東やイスラーム世界をめぐる今日的課題を考えると、いっそう、その重要性が増しています。
主要な研究課題としては、次のようなものがあげられます。
本班では、穏健主流派の特徴を「中道派」と措定して、彼らを知的資源の現代化の観点から分析し、その思想や運動の実態を多元的に明らかにすることをめざしています。
活動の一環として、研究・分析のほかに、イスラーム・中東の専門家のみならず、他分野・他地域の専門家にも役立つような、新しい形の情報提供システムの構築をおこなっていきます。これまでも「知のインフラ」整備を推進してきましたが、中東やイスラーム世界をめぐる今日的課題を考えると、いっそう、その重要性が増しています。
主要な研究課題としては、次のようなものがあげられます。
- イスラーム復興の今日的布置図
- 穏健主流派の思想と戦略
- 中道派の組織・運動と国際ネットワーク
- 国家と中道派知識人の関係の動態的変容
- 中道派における知的資源の現代化
- メディア・情報環境・コミュニケーションと中道派イスラーム
- 現代イスラーム法学のコンセンサスと争点
- 中道派と過激派の対立軸
- 中道的ウンマ論とイスラーム諸国の外交政策
- イスラーム圏と非イスラーム圏の融和派知識人の連携
- 文明的イスラーム論の構想と射程
- イスラーム中道派研究班責任者
- 黒田 彩加(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 准教授)
- イスラーム中道派研究班プロジェクトメンバー
- 池端 蕗子(立命館大学衣笠総合研究機構 准教授)
- 小杉 泰(立命館大学立命館アジア・日本研究機構 教授/アジア・日本研究所所長/京都大学名誉教授)
- 佐藤 麻理絵(筑波大学人文社会系 助教)
- 末近浩太(立命館大学国際関係学部 教授)
- 須永 恵美子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 特任助教)
- 千葉 悠志(京都産業大学国際関係学部 准教授)
- 堀拔 功二(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 主任研究員)
- 望月 葵(公立小松大学国際文化交流学部 講師)
- 山尾 大(九州大学大学院比較社会文化研究院 准教授)
- 山根 聡(大阪大学大学院人文学研究科 教授)
- 山本 健介(静岡県立大学国際関係学部 講師)
- 横田 貴之(明治大学情報コミュニケーション学部 教授)
- 渡邊 駿(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 主任研究員)