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ブルネイ大学/イスラーム研究センター共催 Joint International Seminar "Islam in Asia: Engaging the Community"
(2013年3月19日 於京都大学)
【プログラム】
14:00 Welcome Speech
Professor Yasushi Kosugi, Director of KIAS
14:15-15:45 Session I
"Brunei Darussalam as a Traditional-Modern Malay-Islamic State"
Emeritus Professor Datok Dr. Osman Bakar, Chair Professor and Director, SOASCIS, UBD
"Environmental Issues among the Muslim Community in Brunei Darussalam"
Associate Professor Dr. Azman bin Ahmad, Deputy Vice Chancellor (Academic), UBD
16:00-17:15 Session II
"Islam and Japan: Historical Backgrounds and Current Issues"
Professor Dr. Yasushi Kosugi, ASAFAS, KU
"Islamic Finance and Japan: Recent Developments"
Associate Professor Dr. Shinsuke Nagaoka, ASAFAS, KU
17:15-17:30 Closing Speeches
本セミナーは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科とブルネイ・ダールッサラーム大学(UBD)スルターン・オマル・サイフッディーン・センター(SOASCIS)とのMOU締結を記念して開催された。
SOASCISからは、センター長のオスマン・バカル教授、UBD副総長補のアズマン・アフマド准教授を招き、それぞれ熱のこもった講演が行われた。両氏の講演では、現代イスラーム世界におけるブルネイの特色とその役割の将来的展望が議論された。オスマン教授は、Traditional-Modern Malay-Islamic Stateという概念を紹介し、それがブルネイのナショナル・アイデンティティとしての役割を果たしていることが論じられたが、講演後の議論では、このTraditional-Modern Malay-Islamic Stateの、現代のイスラーム文明の再構築、再形成における可能性というグローバルなパースペクティヴを念頭に置いた活発なディスカッションが行われた。また、アズマン准教授の講演は、オスマン教授が論じた概念の具体的なアクティヴィティについて、UBDが取り組んでいる様々な研究・教育支援プログラム、環境改善プログラムが紹介され、その役割に大きな関心が集まった。京都大学側からは、小杉泰教授、長岡慎介准教授がそれぞれ講演を行い、日本におけるイスラーム研究およびイスラーム的実践(特にイスラーム金融)の歴史的変遷、現状、将来的可能性が論じられ、イスラーム世界に対する日本のコミットメントの方向性について活発な議論が行われた。両大学ともイスラーム文明の現代的可能性について探究を行っているという意味において、今回のMOU締結は、両者の国際協力による研究のさらなる発展のためにきわめて重要なマイルストーンとなったと言え、この共催セミナ-は、今後の継続的な研究協力の推進の重要性を強く感じさせるものとなった。
(文責:長岡慎介)